今も変わらない
先週の金曜日、そう勤労感謝の日で祝日。
夜に買い物があって、休日出勤の後ススキノ付近まで足を延ばした。
ふとあの店の事が頭をよぎる。
そう、あの店、Soul Dressing。 俺が色々な事を教わった店。
当時の店長が独立してライブの店を開いてから、もっぱらそっちに行くようになり、また一方で円山のAsian Blueという店に顔を出すようになってから、だんだん足が遠のいて久しい。
幸いなことに、その日の用事を足せばそれで終わりだったので、久しぶりに覗いてみることにした。
エレベータで9階に上がり、変わらない古いドアを開けると、そこにはこれまた変わらないマスターの笑顔があった。 ちょうど先客が帰るところで、入れ替わりになった状態になり、客は俺一人になった。
『真ん中辺にすわりなよ』
『はーい』
見慣れたカウンター、ほどほどに古く味の出た色合い。 並ぶボトルも少しラベルが変わっているが基本的には変わらない。
ボトルももう無いので、ギネスをオーダーする。 マスターがとなりに座ってきた。 マスターがとなりに座るのは常連の特権、そして元バイトの特権。
最近の状況などつらつらと語りながらギネスを飲む。 カホンをやっていると言い出したところで、マスターが『じゃあいいのあるよ』と、東京JAZZのビデオを見せてくれた。
リー・リトナーのバンドの中でカホンを使った曲があった。
『カッコイイよなぁ』
『カッコイイねぇ』
そしてギネスをおかわりしながら、だらだらと時間は過ぎていく。
『マスター、したらもう帰るね』
『えぇ? なに、もう帰んの?』
『うん、電車で帰らなきゃ。 でもまた来るよ』
『そかそか』
帰り際、この時期の恒例となっているクリスマスCD(昔はテープだったが)をくれた。 本当はボトルを入れないとくれないのにね。
エレベータのドアが閉まる時、『今度はみんなで来てね』というマスターの笑顔。
今も変わらない笑顔。
ここなんだなぁ、きっと。
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